睡眠時無呼吸症候群(SAS)と糖尿病の深い関係

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)と糖尿病の深い関係

起きているときの食事や運動が関係する「糖尿病」と、寝ている間に無呼吸や低呼吸になることを繰り返す「睡眠時無呼吸症候群(以下、SASと略します)」との関係、と言われても、ピンとこない方もいるでしょう。
今回はあおと内科糖尿病クリニックから睡眠時無呼吸症候群と糖尿病の関係についてご説明いたします。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と糖尿病の深い関係

睡眠時無呼吸症候群=SASがあると糖尿病のリスクが1.62倍といわれ、また重症SASでは15%程度に糖尿病を合併すると言われます。また、糖尿病患者がSASを合併する率は実に72%に及ぶという報告もあります。

互いにリスクを増やす関係

双方の病気の原因と共通点を考えてみます。

共通の原因があるとき

糖尿病と睡眠時無呼吸症候群SASとに共通の原因が存在する場合、その代表は肥満です。糖尿病についても、肥満があると糖尿病を発症しやすくなることはよく知られています。睡眠中に呼吸が止まってしまう代表的な原因は、空気の通り道である上気道が物理的に狭くなることで、肥満のために首回りやあご、気道内部などに脂肪がたまると、空気の通り道を圧迫してしまうのです。

「あご」が小さい日本人

睡眠時無呼吸症候群は著しい肥満をイメージされるかもしれませんが、日本人はあごが小さい方が多いので、軽度の肥満でもSASを起こしやすくなり、また内臓脂肪が蓄積しやすいため、軽度の肥満でも糖尿病のリスクが高くなります。

互いを悪化させる内容

糖尿病と睡眠時無呼吸症候群=SASとは互いに影響し悪化させます。SASでは、無呼吸や低呼吸による低酸素状態が毎晩のように続くことで、ストレスとなって交感神経系の緊張が高まり、糖尿病を悪くします。また、SASの患者さんは熟睡できないため、血糖を下げるインスリンの働きが悪くなること、成長ホルモンの分泌も落ちて、筋肉が減り脂肪がたまりやすくなることも原因です。糖尿病自体も、さまざまな臓器や神経の働きを障害しますし、高血糖では睡眠障害も起こしますので、糖尿病がSASを悪化させる可能性も理論的には考えられます。

治療内容

最後に治療についてです。先に述べたように、肥満の改善は両者の治療に有効です、食事療法や運動療法はもちろん、最近は糖尿病の治療薬でも肥満を助長しない良い薬が登場していますので、そのような治療が勧められます。またCPAPによりSAS自体の治療を始めたらインスリンの反応が改善し、血糖値がよくなったとの報告もあります。高血圧や不整脈、脂質異常症などもSASで悪化しますので、SASの治療はこうした内科的疾患も改善させ、そしてこれは大切なことですが、糖尿病の合併症の進行抑制にも役立つことになります。日中の眠気もとれますので、食事療法や運動療法にも取り組みやすくなるだけでなく、生活の質が向上します。

まとめ

  • 睡眠時無呼吸症候群=SASがあると糖尿病のリスクが1.62倍ともいわれる
  • 共通の原因の多くは肥満
  • 睡眠時無呼吸症候群は軽度肥満でも起こりうる。日本人はあごが小さい人が多い。
  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)と糖尿病は互いを悪化させあってしまう。
  • CPAPで睡眠時無呼吸症候群治療をすることで糖尿病治療にも役立つ

糖尿病の治療の目的は、血糖値の改善だけでなく、合併症を防ぎ、充実した生活を送ることです。私たちが、糖尿病外来なのにSASの検査を紹介し、見つかった場合は糖尿病とともに治療をお勧めしている理由は、ここにあるのです。ご心配なことがあればあおと内科糖尿病内科へいつでもご相談ください。

あおと内科・糖尿病クリニック
(内科・糖尿病内科)

〒125-0062 東京都葛飾区青戸3丁目30-5
(京成線青砥駅徒歩3分)

院長 安田佳苗  院長紹介はこちら

診療予定表

概要

院長 安田佳苗
副院長 安田和基
(杏林大学内科学教授ー糖尿病)
スタッフ 5名
標榜科 糖尿病内科、一般内科
所属・資格 日本糖尿病学会認定、糖尿病専門医・研修指導医、
日本内科学会認定、総合内科専門医
住所 〒125-0062 
東京都葛飾区青戸3丁目30-5
電話 03-5680-5533
連携医療機関 慈恵医大葛飾医療センター
東京都立東部地域病院
東京大学医学部附属病院
朝日生命成人病研究所附属病院
など

診療時間

診療時間 日祝
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糖尿病患者さんの重症化リスクが高まるため、発熱(風邪症状)の患者さんは事前にお電話でのご予約をお願いします。糖尿病患者さんの予約のない時間になるため、枠が少ないことをご容赦願います。また予約なしでご来院の場合、隔離施設がないため大変お待たせすることがございますのでご理解をお願いいたします。詳細はこちら

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